千駄ヶ谷かわせみ通信 2004

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この、ページには、NU東京の活動を通して、組合員が考えた様々なことを、不定期的に掲載いたします。

カワセミのを漢字で書くと「川蝉」とか「翡翠」と書きます。翡翠とはヒスイのことですが、背中の輝く青色と緑色、腹のオレンジ色の美しい水鳥であるカワセミは、本当に水面を飛ぶ宝石のようです。カワセミは、NU東京の事務所近くに出没します。明治神宮の池、新宿御苑の池などで、樹上から急降下して小魚を捕らえる姿を見ていると、しばしストレスを忘れます。腹のオレンジ色はNU東京のユニオンカラーでもあります。

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2004年11月25日通信

残業賃金の不払いというのは、犯罪である。

 労基署や労働局は最近非常に評判が悪い。職員が来訪者に対してセクシャルハラスメント問題まで起こしている。そして、雇用問題で困ったときに相談に行っても、会社側の代理人のような回答しか示してくれない「相談員」もたくさんいる。

 その労基署・労働局が、時々「成果」としてマスコミに発表するのが、残業未払の摘発。

 今日も、カメラ・家電の大手量販店B社の残業代未払いのために家宅捜索という大作戦を敢行したという。また、会社社員が残業代の未払いを労基署などに訴え出た場合も、証拠さえあれば、比較的迅速に摘発や指導を行う場合もある(上野のCオートバイ販売会社に対しては、労働組合が何度も指摘しても動こうとしていないが)。逆をいえば、あの腰の重い労基署・労働局でもすぐ動くほど、残業代の未払いは重大な問題なのである。

 よく考えればわかるが、残業分賃金の未払いとは、言い換えれば、賃金の未払いに他ならない。「残業」という言葉がついているから、なにか「プラスアルファ」が未払いのような感じがしてしまうが、要するに働いても賃金が支払われないという由々しき問題なのだ。おまけに、残業は強いられることが多い。この「強いられている」っていう感覚がまた、あいまいかもしれない。しかし、業務命令や、帰るに帰れないノルマ分の処理あるいは、強制的な早出などは、明らかに強いられた労働である。

 労基法では8時間を超える労働は原則禁止である。8時間を超える労働には労基法36条で定めている協定が結ばれていなければならない。この協定がない場合「残業」そのものが法律違反になる。つまりきちんとした手続と労使間の合意がない「残業」は法律違反なのだ。その法律違反の上に、さらに働いた時間分の賃金を支払わないとしたら、これはもう立派な犯罪であるといえるのではないか?

 しかし、日本の企業社会は「残業」に寛大である。労働契約を無にするような、掟破りが残業なのだが、賃金が払われない残業や自宅持ち帰り仕事、休日出勤などは、やれば逆に「働き者」として評価される傾向が根強くある。この本末転倒した「残業価値観」を基礎にして、「残業手当」とか「役職手当」とか、本来全く別の次元の制度である「年俸制」そして「実績主義・成果主義」が作り上げられていて、これらは「当社は残業代は払わないことになっている」という開き直りの根拠にすらなっている。

 いま、日本の経済は復調しつつあるなどといわれているが、実際は、この「残業価値観」と、低賃金の派遣やパートの導入によって、賃金コストを下げて、労働者の生活を悪化させながら、企業業績が「回復」しているように見えるだけである。これでは、なにもよくならない。また、残業(持ち帰りや休日労働含む)を、きちんとカウントできないようでは、仕事の能率化も企業の生産性向上もできないのである。良いことなどひとつもない。

 最後に、もう一度確認するが、残業代の未払いは犯罪である。

(大鷺)

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2004年10月8日通信

隠す・嘘つく。この国の企業

 今日(10月8日)。UFJ銀行に東京地検特捜部の家宅捜査が入った。

  昨年8月に行われた金融庁の検査を妨害したからだ。段ボール箱100箱もの「証拠」を隠した部屋に入ろうとする検査官に「無い」と嘘をつき、また別の場所では検査官の傍らで資料を破り捨てたりしたという。「ウソ」の説明マニュアルまで作成して行員に持たせていたというのだから、組織ぐるみで嘘を貫こうとしたわけである。

  ところで、私達は労働組合活動の中で、このような「嘘」や「隠し」が、多くの企業で程度の差こそあれ、平然と行われていることを知っている。

  ありもしない賃金査定・賞与査定基準を「有る」と言う会社。雇用契約書を一方的に作ってしまう会社。法的に不備な就業規則を社員に見せずに、金庫にしまい込んでいる会社。人員整理解雇をしたのに、「自己都合」だと強弁する会社。残業が月に100時間あったのに、「そのような事実はない」とうそぶく会社。「我が社には有給休暇はない」と平然と言い放つ会社。「雇用契約についてはアメリカ合衆国○○州の法による」などと主張する会社。雇用保険料を徴収しながら、それを勝手に使ってしまう会社。外部に好業績を謳いながらも、社員には経営危機と言い、人員整理をしておきながら、一方で何十億円もの設備投資をする会社。労働裁判の場で厚かましくも嘘をつき、それがばれて敗訴してしまう会社。

  日本の企業風土とは? 会社のためならば嘘もつき、隠しもするというものなのか?

  嘘は蔓延している。 企業に融資し、地上げに融資し、そして破綻し、国から血税を注入される大銀行の嘘。郵政を民営化することが全てであるかのような嘘。イラクに大量破壊兵器があったという嘘。テロリストと闘うという嘘。嘘で固められた年金制度・・・。

  労働組合は、とりあえず、会社の嘘と闘っていくほかない。と思っていたら、最近、「福利厚生」として「労働組合がある」といい「労働組合費」を会社が徴収しながらも、その労働組合がどこにもない? という事例まで出現した。やれやれ、である。 

(ウソ)

2004年8月12日通信


腐敗し続ける日本、高まる「国家」志向の中で迎えるギリシャ五輪

 美浜原発の大事故は何故起きたのか?

  マスコミ報道で知る限り、この「何故?」という設問が無意味に思えるほど初歩的かつ基本的ミスがそこにはあったあった。二次冷却水の配管設備などというものは、常に最重点的に保守・点検管理がなされてしかるべき、というのが常識だと思うが、この保守・点検に「優先順位」を付けて後回しにし続け(何十年間もだ!)、さらに、危険性が指摘されても無視し続けていたのだ。結果的には大事故が起こって(メルトダウンまで行きかねない事故だった)はじめて、保守・点検マニュアルを見直して「改定する」という。常識では理解しようのない世界が関西電力にはあった。いや、関西電力に限らず、いまやこの「常識では理解できない世界」が日本中に蔓延している。
 白骨温泉に続いて、伊香保温泉、伊香保温泉に続いて水上温泉・・・・。こっちは、温泉疑惑の「メルトダウン」である。まじめに源泉や温泉宿を維持・管理しているところにとっては大いに迷惑な話であると思うが、実は件の温泉地の良識ある人々はとっくに知っていて、しかしそれを是正できなかったということでもある。インチキを止めることが出来なかった「なにか」がそこにはあるはずだ。温泉地のイメージダウンになる恐れや、地元の力関係などなど、不正が不正として表面に出ない世界があったのであろうか?

 このまま日本は総崩れするのではないか?

 雪印、三菱、原発、温泉・・・・。腐敗しはじめた果実、虫食いの果実も当初は外見はきれいである。腐敗、虫食いを知っているのは内部の者だが、内部の者は押し黙る、あるいは腐敗が正常と思い違いしてしまう。腐臭に慣れてしまうのだ(裏金・違法献金の止むことのない国会を見ればよく分かる)。
 私たちは、NU東京の活動として、様々な企業・法人に働く人からの労働相談を毎日のように受けている。そして、しばしば、この「腐敗」に直面する。有名企業や公益法人に腐敗が蔓延している。経費削減とあくなき利益追求の「リストラ・成果主義」(不況・失業者の増大に対して、日本は、ワークシェアリングとセーフティネットを機能させずに、過密労働と減給・ただ働きを基礎にした売上げ至上の「リストラ・成果主義」ともいえる手法をもって臨んでいると思う)は、腐敗へ対応する術を持たない。このまま突っ走れば日本は総崩れするのではないか?とも思ってしまう。
 総崩れしそうな日本を、救う手だてはないか?

 俄かに高揚する国家主義

 イラク派兵を契機として、俄かに「高揚」してきたかの感があるのは、「国家主義」である。強い日本(それも軍事的にも強い)を求めて止まない「国家主義」が日本を救うのか?
 しかし、米英軍のイラク侵攻の理由(核兵器・大量破壊兵器)については、根拠が全くなかった。「自衛隊の海外派兵」を正当化するために国連決議云々を持ち出しても、そもそもことの始まりがインチキなのである。イラク利権目当ての不正なのである。だから、いま声高に叫ばれている派兵論議のはじまりは「不正」なのだ。
政府や自民党・民主党の改憲・軍拡派は主張する。「国家には軍がなければダメだ」「憲法9条改憲は当然」と、「国家を中心に考えなければだめだ」と。しかし不正が横行し腐敗した国家が、他国に侵攻しうる軍事システムを持つことほど恐ろしいことはない。そして、腐敗した権力・政治体制ほど「市民・大衆」を語らず「国家」を語ることは、歴史から私たちが得る貴重な教訓のはずだ。

 平和の祭典か?  軍拡・国家主義の高揚の場か?

 これからギリシャ五輪が始まる。サッカーのアジアカップでは、中国の「国家主義的」応援隊(彼らを、サッカーのサポーターと言うには、余りにもサッカーを知らなさ過ぎる)の動きを奇貨ととらえて、日の丸・君が代への侮辱を云々する論調が幅を利かしたが、オリンピックを国家意識高揚の場として最大限利用したのは、ヒットラー率いるナチスである。
 さて、私たちは、ギリシャ五輪をどうとらえるか? 平和の祭典とするか? 腐敗を隠蔽する軍拡志向の国家主義高揚の場とするか?

(かささぎ)

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2004年6月29日通信

「成果主義」という名の、会社ご都合主義
 いったい「成果主義」とは何だったのだろうか? ここで「だったのだろうか?」と言う過去形にしたのは、既にそれが「過去のもの」になろうとしているからである。
 「(企業の)8割導入済み」(日経新聞04年5月28日)という成果主義賃金だが、その御本家である富士通では01年3月に見直しを始めている。また、02年7月には社会経済生産性本部が「高い目標に挑戦しなくなったり」「人材育成軽視」と、その弊害を指摘して見直しを提言している。 「虚妄の成果主義」を著した東京大学の高橋伸夫教授にいたっては「成功した企業などありません」とまで言い切っている。

独り歩きする成果主義

 では成果主義はどのように定義されているのか?
 1995年。人員整理・リストラの嵐が吹き荒れ、日本型雇用関係(終身雇用、年功序列体系)が崩壊し、企業にとって新たな労働力の確保の方向性が模索されていた時、当時の日経連は「新時代の『日本的経営』」をまとめ、その中で「能力・成果重視の人事処遇が求められている」とした。この日経連の提案は、日本の労働力市場全体を視野に入れて、各企業が人員整理を行いながら、「グローバル経済下」で如何にして必要な人材を確保して行くのかということについてのものだった。年俸制、有期雇用、裁量労働などをフルに活用し「雇用ポートフォリオの導入」をはかった。当然、雇用形態は多様多面化していくが、その賃金決定において(すでに年功序列は崩れていると判断されているし、グローバルスタンダードの「圧力」も強かった?)、「昇格制度の再検討」「人間尊重の理念に立った目標管理制度の導入」「人事評価制度の整備と活用」が語られていく。そして、この賃金決定方式が「日本的」成果主義となって独り歩きして行くことになる。
 「実績に応じて賃金を分配する成果主義」「企業の経営業績に対する貢献度に基いて人材を評価し、その評価に基いて報酬を決定する考え方に基いた人事制度」「個人が上げた成果に応じて賃金を払う」「企業に対する業績貢献度や成果達成度を基準にして社員を評価し、これに対応して賃金を払う」等々・・・。成果主義について調べ始めれば、100の資料に100の定義が示されているが、上に挙げたのは比較的「正統派」の見解である。しかし、これらの成果主義は「成果」を出さずに見直されつつある。
 なぜか? 答えは簡単である。上記したような「成果主義」の前提となる人事評価、業績評価を客観的に行なえる企業が無いのだ。一方的に売上目標を会社(ワンマン会社などはオーナーの独断)が決め、この会社決定の根拠も公開されず、また株主にも正確な情報が開示されないような日本企業では、そもそも目標設定ができない。それでも末端の社員にまで目標設定(入社して数年で言われてもね・・・)をさせるものだから、社員は限られたパイの食い合いと成果の横取り競争に血道を上げ、共食い共倒れ状態になる。結果的に企業は疲弊し職場は荒廃する。賢明な企業はだから成果主義を捨てた。

「成果主義」は会社のご都合主義!

 しかし、8割の企業が今も導入しているというデータがあるが?
 「パートに成果主義を導入して、スキルアップするとランクを上げ、時給を上げます」って、それは単なる能力給ですね。「頑張って資格を取った人には、その成果に応じて仕事をしてもらい賃上げします」って、それは職務給じゃないですか? 「企業の実績が思わしくないので、成果主義により一時金無し。社員全員を減給します」って、それは経営方針の誤りによる企業危機だ!「売上に応じて、その成果の対価を分配します」って、それ請負じゃないの?大丈夫ですか? 雇用保険に入っている? 「人件費を賄うだけの成果を上げない人は降格です」って、あの役に立たない高給取りの役員達を押しつけてきた親会社や銀行は、それで「成果」を上げたってことなのですか?
 成果主義、成果給ってのは結局、会社のご都合主義、ご都合給与方式ってことだった?

(ワライカワセミ)

 

2004年5月18日通信

労働時間は月0.3時間増えたが、給与は1%弱減!

古典的に貧しくなる労働者。古典的な労働運動が必要?

 5人以上の事業所に勤めている労働者の月収が0.9%下がったそうである。新聞にはそう書かれている。調べたのは厚生労働省(03年度の勤労統計調査・確報値)だという。

 一方で、この厚生労働省の調査によると、労働時間は0.3%増加しているという。労働時間が増えて、月収が減ったのは、一時金(ボーナス)が3.3%減ったり、手当を含む所定内賃金額が0.7%減ったことが原因とされている。また、常用雇用における一般労働者数が2.2%減り、パート労働者が6.6%増えたことも影響しているらしい。

 この統計には出ていないところで、パソコンと携帯の普及による、自宅持ち帰り残業やら、休憩時間中労働が増加し、サービス残業時間は多くなっていると思われるから、世の中の「減給」はかなり加速しているのではないだろうか?

 昨日は、高額納税者が発表された。「バブル的商売」や「不動産売却」での高額納税者は激減してきたようだが、健康、娯楽などの産業の経営者はしっかりお金を稼いでおり、1億円以上の高額納税者数は去年よりも29人多い744人だそうだ。

(中略) 

労働者を安く使って、経営者は大きく儲けるってのは、古典的な儲け追求方法ではある。やはり古典的な労働運動が必要になるのかも知れない。

(フクロウ)

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2004年3月3日通信

バブル後のリストラ時代は終わり、労働者の権利無視の過密労働時代が始まった?(ホットライン結果から)

 2月26日から28日までの3日間、NU東京は管理職ユニオン関西、働く者の相談室広島との三者共催で、「働く困りごと!労働相談全国ホットライン」を開設しました。3日間にホットラインに寄せられた件数は主催3者(受付場所は、東京、京都、大阪、広島の4ヶ所)の合計で175件でした。

 今回、東京の特設電話に寄せられた相談件数は21件でした。昨年同時期のホットライン(35件)に比べて件数が少ない原因としては、東京のホットライン電話番号がマスコミに取り上げられなかったということや、東京の受け付け開始時間が他の地域よりも遅かったということが考えられます。また、東京の特設電話に相談を寄せた方のほとんどがNU東京などのホームページを見て電話相談を知った方たちでした(労働組合や労政事務所からの相談も数件ずつありました)。

 東京受付の相談の内訳は、労働条件問題10件、解雇・雇い止め問題8件、未払い問題6件、退職勧奨問題3件(以下省略)の順。相談件数よりも合計数が多いのは複数内容相談があるためです。前回(昨年同時期)に行ったホットラインの東京受け付け内容は、退職勧奨8件、未払い問題7件、労働条件問題5件、職場いじめ5件(以下省略)の順なので、少し異なった傾向が出ています。前回の傾向は、それ以前5年間のホットラインでも同じ様なものでした。

 この受付内容の変化は、東京に関してマスコミでの告知が少なかったため、ホームページを見た20代から40代前半からの相談が多かった事とも関係している(50代以上の相談件数が昨年よりも11件減っています)ともいえますが、雇用形態の多様化と有期雇用および契約労働が増えて「雇い止め」の問題が多く出てきたことや、人減らし・リストラが一段落した後の過密労働や労働条件変化も影響していると思います。ホットライン期間以外に、私たちNU東京へ寄せられる相談でも、「給与が払えないほど経営が悪化しているが休めない、辞められない」という内容や「契約期間が過ぎたから辞めてくれといわれた」という内容が目立ちはじめています。

 私たちは1998年2月末以降、毎年、主に2月末から3月はじめにかけて、労働相談ホットラインを開設しています。その6年間の結果と今回のホットライン結果から見ると(件数が少ないという問題はありますが)、どうやら昨年から今年にかけてが、93年以降不況=経済停滞下での「バブル崩壊・人員整理時代」から、「過密労働下での、労働者の権利を無視した使い捨て時代」への転換期と言えるのかもしれません。その背景には、財界が主導権をもって行ってきた労働諸法の「改正」や、労働組合の社会的影響力の低下(組織率の20%割れということ以上に、大企業を中心としての労働組合の存在感と機能の喪失)があることは間違いないと思います。

(ゴジュウカラ)

 

2004年1月25日通信

残業、休日出勤、持ち帰り労働!

未払い賃金はいったいどれほどの額になるのか?

 1月23日付朝日新聞夕刊TOP記事の見出しは「未払い賃金過去最多」「2万3000件、277億円」だった。

 2002年1年間に全国の労働基準監督署に寄せられた賃金未払いの申告件数と金額のことで、厚生労働省によると過去最多であるということ。労基署に申告した一人あたりの金額は38万2千円。未払い賃金の時効が2年なので(時効だからといって未払いが認められるかのような考えはおかしいのだが=労働力を盗んでいるのだから、窃盗と同じくらいの時効期間がほしい)、1年あたり19万円ほどで、月1万6千円ぐらい?

 深刻なこととして、この程度の未払いはどこの企業でも発生しているのではないか?ただ、未払いによる不利益を受けた労働者が、証拠を整えて、労基署に申告するケースが少ないので、わずか277億円に過ぎなくなっているのでは・・・。

 労働者が全国で一斉に、未払い賃金を返せ!と労基署に申告したら、その額は天文学的なものになると思う。私たちのユニオンに寄せられた相談から計算してみるだけでも、過去6年間で何百億円にはなる。1件で何億円になるケースだって珍しくはない(1日2時間を超えるような残業の、2年間50人分なら、そのくらいの数字になる)。この残業未払いの他に休日出勤未払い、休日の代休なし、持ち帰り労働分未払いなどもある。

 277億円など、氷山の一角のまた一角に過ぎない。現代日本における未払い賃金は想像することもできないほど巨額なのだ、おそらく国家予算を超えるのではないか?ひどい国である。

 だいたい、残業賃金は払わなくてはならない(労働者からしては、もらものである)という、当たり前のことが通用しない社会になっているのだ。

 ユニオンに相談に来て、「うち(我が社)は、残業しても残業代は出ないことになっています」「営業職だから残業代はでません」「残業してもいいから、タイムカードはつけないように言われています」などと、当たり前のように言う労働者(経営者ではない)は多い!こんなこという労働者に限って、一日4時間、5時間とただ働きしているのだ。

 いま、労働組合の組織率は20%を下回った。労働組合があるからといって、その会社が残業代を払っているとは言えないが、労働組合がなく、会社の労基法を無視するような会社の非常識が、社内では常識化している状態は社会に蔓延している。

 自衛隊のイラク派兵にしても、労基法無視状態の蔓延にしても、日本から憲法・法律とか、労働者の権利とかが急速に失われているのではないか?

(冬のカワセミ)

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