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 社団法人・財団法人、独立行政法人、特殊法人、

社会福祉法人、NPOなどの労働問題・雇用問題

 公益社団法人・財団法人、一般社団法人・財団法人、独立行政法人、特殊法人、社会福祉法人、NPO法人などで発生する労働・雇用問題には、いくつかの特徴があります。上司の個人的感情による嫌がらせや、無責任運営故の労働条件の曖昧さなど、公益法人に働く労働者には、それなりの苦労があり、ストレスもかかります。また、組織の統廃合も頻発しており、雇用不安を抱える労働者が多くいます。以下に特徴的問題点と、問題対応のポイントを挙げます。

1、ボス的人間が組織を私物化している

 理事長や組織代表者が「お飾り」であり、理事会も有名無実化している場合があります。このような組織では往々にして、永年事務あるいは総務職などを務めている人物(事務長とか専務とか)が、組織を私物化していて、自分の気にくわない人間を苛めたり解雇したり・・・。しかし、半面、このような組織で雇用問題が表面化すると、責任体制が曖昧になり問題の解決が遅れがちです。

※デタラメな業務命令でも、組織決定の形を取っていると、その取消や変更には、きちんとした組織決定が必要になります(とくに公益法人の運営は会社よりも手続重視です)。そのため、問題が深刻化してから対応しようとすると、実際は何年も開かれていなかった理事会を招集したり、総会を開いたりとなり、「ボス的人間」は右往左往することになります。場合によっては、「ボス的人間」が失脚したり、不正が表面化したりしますが、混乱が深まることもあります。早めに労働組合をつくって(組合に入って)対応する必要があります。

2、天下ってきた役員が威張りちらしている

 関係省庁や都道府県の元官僚が法人に天下ってきている場合。これらの人物の給与に多くの金が使われたり、訳の分からない金の動きがあったりします。

※昇進レースから落ちこぼれた元官僚や、なんらかの理由で公益法人に「追い落とされた」元官僚の中には、法人の職員に対して、八つ当たり的に威張りちらす者がいます。また、官庁との関係をひけらかし、職員を無能呼ばわりしたり、無理難題を言う場合があります。このようなときには労働組合で、所轄官庁に物申しましょう。また、出身官庁との間で不可思議な金の動きがある場合は、きちんとチェックしておきましょう。

3、数年ごとに人事、労働条件が大きく変化する(いじめ・嫌がらせも多い)

 上のケースと関連しますが、複数の天下り先から、事務長や専務が数年単位で交代で天下るため、そのつど、事務処理体制や人事体制が大きく変化して、非常に働きにくい場合があります。また、新しく入ってきた事務長や専務によって、今までの慣例が無視されたり、特定の人(前の事務長や専務によって重用されていた人など)に対しての嫌がらせが発生する場合があります。また、職場の「ボス」的人物が特定の労働者をいじめる「職場いじめ」も多く発生しています。

※「上が変わると全てが変わる」ような労働環境は異常です。労働組合(無ければ作るか、個人加盟組合?ユニオンに加入する)として、きっちり労働条件について交渉しましょう。

4、派閥争いが激しい

 時として組織内にある労働組合をも巻き込んで、派閥争いが激しく行われている法人があります。天下りの派閥が影響したり、天下り組と生え抜き組の対立があったりします。

※官庁間の派閥に巻き込まれないようにしましょう。どっちにつくか?ではなくて、労働条件の向上と労働環境改善のために、わかりやすい要求を出しましょう。ともすれば「××専務(事務長)追放!」などという声が高まりがちですが、安易に人事抗争に組みしないようにしましょう。

5、無責任体制

 NPO法人や一般社団法人・財団法人などで組織運営がうまくいっていない、あるいはズサンな場合があります。特に労働条件や労働環境をめぐっては、労働基準法や労働安全衛生法などの法律が遵守されていない場合もあります。

※組織運営に慣れていないNPO法人や一般社団・財団法人の場合、労働組合と法人の間できちんと交渉の場を持ち、法律を遵守するように理事会・代表者サイドに働きかけていきましょう。

6、労働条件がダブルスタンダード

 就業規則や退職金規程、出張旅費規程などについて関係財団・社団法人への出資会社、関係官庁のものを丸写しにしている場合があります。そして、この「丸写し」が、その通り運営できていれば、まだ良いのですが、それらが全く遵守されていない「ダブルスタンダード状態」が生まれていることもあります。

※いざ「退職」となったときに。「実は退職金はこうなっている」などと、規定と違う金額を提起されたり、「慣例としては出ない」などと言われたら、規定通りの支給を求めましょう。また、解雇理由として、就業規則に明示されていない理由を示されたら、きちんとした説明を求めましょう。

7、うちは官庁?それとも子会社?というわからなさ

 うち(公益法人)は役所だからとか、我が社(公益法人や一般社団・財団法人)は親会社があるからとか、働いている者にとっ法人の性格が分かりにくい場合があります。しかし、社団法人、財団法人、社会福祉法人、NPO法人などなど、各々の法人はきちんとした位置づけがあるのです。「公務員だから労働組合に入れない」とか「会社だから、業績第一主義はしょうがない」などと思わないように!(官庁から来たものが実権をとると官庁のような雰囲気になり、民間から来たものが実権をとると会社らしくなります)。

8、整理・統廃合がある

 財団法人や社団法人あるいは独立行政法人は、いま整理・統廃合が行われています。全く同じ様な法人が他にある場合、統廃合は避けられません。天下りはすぐに他に移っていきますが、残された職員の生活を守るために早めに対策を立てましょう。

※ユニオンには統廃合目前や、整理解雇通告後の相談が寄せられることがありますが、その前兆は数年前から明らかになっているはずです。「うちは役所と同じだから大丈夫」などと思わないで下さい。とくに公益社団・財団法人は会社と違って、運営に自由度が少ないため、統廃合直前や整理解雇後の相談は対応が非常に難しくなります。

公益法人の労働者であっても、一般社団・財団法人やNPO法人で働いている人は労働組合を作って労働三権(団結権、団交権、団体行動権)を行使できます。また、私たちNU東京のような個人加盟方式の労働組合に入れます。

公益法人(社団・財団・福祉など)、一般社団・財団法人、特殊法人、独立行政法人およびその関会社、NPO法人での、非常識な問題や巧妙な天下りシステムについてなどは、社会的に問題を明らかにしていきましょう。必要に応じて、関係省庁に申し入れを行いましょう。

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