よくある質問(法律に「うちは特別」は無い

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 退職勧奨を受け、辞める場合の条件を示されていますが納得できません。

A まず、あなたが会社を辞める意志がないならば「辞める」あるいは「これだけの条件が出れば辞める」などと、安易に言わないことです。

 退職勧奨にはそれなりの正当な理由が必要です。まず、会社の「理由」をしっかりと聞きましょう。そして、会社が「○○日までに返事をするように」と回答を強く求めてきても、辞める理由がないならば、条件交渉に入らないことです。とくに、突然、退職勧奨(場合によっては、「解雇せざるをえない」などと脅かされることがありますが、解雇には正当な理由が必要です、軽微なミスや「会社の経営に不安がある」程度では認められません)に遭遇した場合、驚き、混乱してしまい、辞める必要がないのに「辞める条件」を会社に提示してしまうことがあります。また、必要がないのに転職活動に入ってしまい、実質的に退職に向けて事態が動いてしまうこともあります。

 まず、会社に理由を聞くこと、そして、その理由を会社の責任ある立場にある人の署名入り文書でもらうことです。そして、個人の労働条件について相談に応じてくれる労働組合や労働者側に立つ弁護士に相談しましょう。(03−5363−1091、NU東京へ電話を)

 追い詰められ、不利な立場で、会社側と交渉しても良い結果は出ません。

 また、社内メールでの要求や退職勧奨に対する回答も、安易に行わないようにしましょう。

 会社が成果主義(あるいは実績主義)などとして、一方的に減給しました。

A いわゆる成果主義は、「成果に基づいて給与を決定するというシステム」とされていますが、その「成果」(あるいは実績)の判定の仕方が曖昧であったり、会社の得手勝手なものであったりと多くの問題が指摘されています。「成果」をはかるためには、「目標」が客観的にみて達成可能でなければならないし、「目標」設定時には経営側から方針や必要な資料が提供されるべきです。しかし、実際には多くの会社で「成果主義」の名の下で、賃金を切り下げるための嫌がらせが行われています。また、会社が勝手に設定した目標を達成できないからといって(無理難題としかいえない目標)、成果が上がらないとか、実績が無いと言われることすらあります。このような「成果主義」は明らかに不当なものです。

 ただし、会社が「成果主義」を盾にして、減給への合意書を示した場合、これに合意すると、認めたことになってしまいます。雇用されたとき示された給与から一方的に減給されたときなどは不利益変更なので本人の同意が必要です。逆に言うと、不当な減給には同意しないことです。

 また、会社が「同意しないと仕事がない」とか「同意しなければ辞めてもらう」などの圧力をかける場合があります。悩んでいるうちに、給与が支払われ、支給時に確認印を求められて、同意した形になってしまったり。不当な減給なのに、減給幅を少なくして貰うようなお願いをして、結果的には減給になることなど、一人ではなかなか対応できません。

 労働組合に入って交渉しましょう。

関連ページ(労働組合とは?)

 退職届を書けといわれていますが、辞めたくありません。

A 本心でない退職届を書く必要はありません。たとえ、本心でなくて、その場しのぎで書いたとしても、「書いた」という事実が残ってしまい。退職手続きを進められてしまうので、苦しい立場に立たされてしまいます。書きたくないのに圧力をかけて無理矢理書かせ、不利益な立場に立たせることは不法行為といえます。きっぱりと「本心でないものは書けない」と言いましょう。

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 退職届を書かなければ解雇にすると言われました。

A 解雇(労働契約の打ち切り)には理由が必要です。それも労働契約打ち切りの正当な理由が必要なのです。明らかな懲戒解雇理由や普通解雇の理由(就業規則で懲戒解雇の規定や普通解雇の規定を定めている必要があります)があるとか、本当に経営難で、人員整理の解雇をしないと働いている人の賃金が保証できないとか、解雇は簡単にできないのです。

だから、会社に正当な理由がない場合、「退職届」を出すように強要するのです。退職届を出せば、出した人の責任で労働契約を打ち切ることになりかねません。

「退職届を書かなければ解雇にする」と言われたら、「解雇理由を会社の正式文書で示して下さい」と言いましょう。そして、本心でない退職届を出さないようにしましょう。

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 会社を辞めたいのですが、上司が辞めさせてくれません。

A あなたが個人的理由によって会社を辞めることについて、その意志を無視して「辞めさせない」ことはできません。

会社を辞める(辞職する)のは、あなたの側から雇用契約を打ち切ることになります。この場合、期間の定めのない雇用契約の場合(つまり1年とか3ヶ月とかの有期契約でない場合)、2週間前に会社に対して「辞める」と伝えなければなりません(民法627条)。期間の定めがある場合は、辞めることによって会社に生じる損害について請求される事がありますから要注意です。また、仕事の性質上、会社で知り得た秘密を持ってライバル他社に就職することについて制約がかかることもあり得ますので、この点も注意しましょう。

※辞める場合は「退職届」を提示しましょう。あいまいに「退職願」とか「進退伺い」などを提出すると「認めない」「辞めてほしくない」なとど言われかねません。

 会社を辞めたのですが、払って貰えない賃金や立替金があります。

A 未払いの賃金(残業未払い含む)がある場合や、交通の未精算分、会社機材あるいは資料などの購入費の未生産分は当然受け取る権利があります。

 悪質なケースとして、「勝手に辞めたのだから払わない」とか「勝手に辞めて、迷惑をかけるのだから、経費は自己負担」などと言い放つ経営者が、時としていますが。それは明らかに不当な言いがかりです。時効(賃金で2年、退職金で5年)の関係もありますので、すぐに請求しましょう。会社側が拒否をしたら、キチンと文書(内容証明などで)で請求しましょう。

 但し、会社の許可(上司などの許可)無く、個人的判断で購入した機材・資料の経費は請求しても支払われない場合があります。

 会社を辞めたい(辞めた)のですが、退職金は出ないと言われました。

 会社に退職金を定めている規定がある場合は、会社はその規定通りに退職金を支給しなければなりません。また、規定がない場合でも「退職金積み立て」として毎回給与から引かれている場合や、慣例として一定額が退職者に支給されている場合は、退職金支給を求めることは正当であるといえます。

ただ、会社に退職金規定がない場合や、慣例としても支給されていない場合は支給を求めても支給されないことがあります。また、懲戒解雇の場合、会社規定により退職金の減額や不支給の場合があります。

なお、退職金の額については、法的にはなんら定めがありません。ポイントは会社に退職金支給の規定があるかどうかです。

※就業規則や賃金・退職金規程などについて、提示されないときは、はっきりと「見せてください」と提示を求めましょう。あいまいに「就業規則はありますか?」とか「労基署に届けてありますか?」と言うのではなく、「見せてください」といいましょう。

※就業規則は「常時10人以上を雇用している」職場では、いつでも見られるようにしておかなくては法律違反です。この場合の「雇用している」人は、アルバイトやパートなどを含みます。

 残業しても、残業代がつきません。

A 時として、「わが社は残業代を払わないことにしている」などと公言する会社がありますが、これは明白な労働基準法違反です(労働基準法36条から37条参照)。 また、事業所(働いている場所)で労働者の過半数が加入する労働組合または労働者の過半数を代表する者(民主的に選ばれなければなりません)と会社(使用者)で残業を認める協定を結ばなければ、残業労働はできない(させてはいけない)ことになっています(労働基準法36条)。

残業に関する考え方は@会社は1日8時間を超えて労働者を働かせてはならないAやむを得ず働かせるときは労働者の代表との協定が必要であるBやむを得ず働かせるのであるから、8時間を超えた分については最低でも25%増しにしなければならないし、10時を以降の深夜残業は50%増しにしなければならない。ということになります。

労働時間が8時間を超えない残業(会社規定では1日7時間労働なのに8時間働いたなど)の場合は、25%増しにしなくてもよいということですが、会社によっては25%増しになるところもあります。

なお、残業は上司などの業務命令など、会社の指揮命令によって成立します。勝手に働いても残業と認められない場合がありますので気をつけましょう。

 会社経営難を理由に大幅な減給をされました。

A バブル経済崩壊以降10年近くになります。長期不況の下で、経営が苦しくなっている会社が多くあります。人員削減リストラとともに、賃金カット・減給が行われています。しかし、この減給は自由にできません。

ます、労働契約の変更(労働者側にとっては不利益変更)なので、会社と減給対象者間での合意が必要です。また、「業績が上がらない」、「成績不振であるから」と20%、30%の減給を告げられるケースが目立ってきていますが、たとえ懲戒処分による減給でも10%を超えてできないと、労働基準法には示されています。時には「減給か退職か」と迫られる場合がありますが、これは明らかに退職強要です。辞めたくないなら「辞めません」とはっきり言い、減給には安易には合意しないようにしましょう。

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 「わが社には有給休暇はない」と言われました。

A 有給休暇は会社が定めるものではありません。国の法律です。会社が勝手に「有給休暇がない」などとはいえません。明らかな労働基準法違反です。このような会社は「ブラック」といわれてもしかたがありません。

有給休暇は、労働者が6ヶ月以上同一会社で働き、その会社の労働日の8割を超えて出勤している場合1年目(すなわち7ヶ月目)から10日与えられ、翌年には新たに11日が与えられます。

有給休暇は、労働者が「有給休暇を取りたい」と会社に伝えた場合、理由に関係なく与えなければなりません。(会社は、経営上どうしても、その日はだめという場合に時期変更権を行使できますが、休暇は必ず与えなければなりません)。

有給休暇を取得したからといって、不利益に扱われたり、「精勤手当」などをカットすることは不当なことです。

また、アルバイト、パートでも週所定労働が30時間以上あるいは5日以上(または1年間で217日以上)の労働者は上記と同じようにフルタイム、正社員と同じように有給休暇が認められます。

さらに、1年間の所定労働日が48日以上、または週所定労働が1日の人以上の労働者は皆、有給休暇が認められます(日数は労働日によって異なります)。

 プロ野球選手会のようにストライキを行いたいのですが。

A 労働組合がストライキ(つまり、要求を実現するために、仕事をしないこと)を行えることは、日本国憲法28条で保証されています。ただし、労働組合以外の団体や個人がストライキを行っても、その権利は法的に保証されず、「仕事をサボった」「職場から離脱した」等、懲戒処分(解雇の場合もある)の対象となってしまいます。労働組合法に定められた要件をクリアして(労働組合としての条件を備えている、組合大会でストライキ権が正しく確立されている、経営者に対してストライキ通告をしているなど)はじめて、ストライキ権は効力を発揮します。私達NU東京のような、個人加盟方式の労働組合の多くは、定期的に労働組合の大会で「ストライキ権」を確立していますので、その組合に入り、組合の指示のもとで、組合員の会社・職場の労働条件向上や労働環境改善に向けたストライキを行うことが可能です。

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2011年12月13日

 
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