一方的に減給されたら?

TOPページへ 

 景気の悪化や業績不振を理由にして、雇用契約や、就職時に確認した内容を一方的に不利益に変更する事例が多発しています(いつの間にか賃金規定が変更されてしまっている場合もあります)。時として、「減給を認めなければ解雇」などという脅かしが伴うこともあります。しかし、減給は簡単にできるものではありません、まずは落ち着いて、状況を見極めて対応策を考えましょう。

一方的に減給すると言われたら?

「はい、分かりました」とか「そうですか、分かりました」などと、合意したとも思えるあいまいな返事をしないことです

 賃金(給与とか給料とか呼ばれています)や、労働時間のこと、あるいは休日、休暇、休息等について、すなわち労働条件については、労働基準法などの法令に定められている基準以上のことについては、使用者(会社とか各種の法人)と労働者(社員、職員、従業員などと呼ばれますが)との間で契約する内容です。賃金は、使用者と労働者双方の合意が有れば変更できます(法で定められた最低賃金以上に限ります)。また、労働組合と会社との間での合意(労使協約)や、会社の「賃金規程変更」「就業規則の改訂」によっても変更されることがあります。この労働者にとって不利益な内容への一方的な変更は多いに問題がありますが、会社がいつの間にか「従業員の同意をとった」「十分説明した」として、強行することもあります。
 おかしいと思ったら、あいまいな返事をしないことです。要は、労働条件に関する労働契約の改定の問題です。使用者と労働者が合意してしまったら、例え大幅な減給でも争えなくなってしまいます。
 また、仕事でミスをして会社に損害を与えたから賃金をカットすると言うような場合も、賃金カットで労働者に弁償させることは違法になります。また懲戒の意味を込めた減給も最大で10%と法律で決められています。
 私の労働契約は? と思い当たらない人、労働契約を文書で交わしていない人は、雇用されたときの約束がそれに当たります。ただし、労働契約の内容が、労働基準法の定めを下回る場合は、労働基準法で定めてある水準まで引き上げられます。

※年俸制で減給を言われ、「これを認めないなら辞めてもらう」などと言われる場合もありますが、期間に定めのない雇用契約を結んでいるならば、「減給を認めなければ解雇」というわけにはいきませんし、たとえ期間を定めた雇用契約(年俸制賃金契約と雇用契約は違います。賃金が年俸制でも雇用契約が期間を定めない場合が多くあります)でも、理由が明確でなかったり、明らかに不当な減給は問題があります。

※就業規則や賃金規定を変えても、不合理であり、著しい不利益が生じるときは減給は認められません。

 ハローワークで示された求人票に記載されている雇用条件の通りなら、それが約束(雇用契約)の内容になるといえます。求人情報誌や求人広告で示されていた雇用条件があり、それに応じて雇用されたときも、その条件が雇用契約内容になるといえます。このような場合も、その雇用契約内容は労働基準法などの法律で示された基準を下回わるものは認められていません。

 一方的に「減給する」と言われたら、それは「使用者が雇用契約の変更を求めている」ということです。まず、その理由をきちんと聞きましょう。納得できず、合意できない場合は使用者側にその意思を伝え、
労働組合(ユニオン)などに相談しましょう。

こんなときどうするへ TOPページへ 

2012,08,07