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配転・出向、転籍に直面したら?

まず、その実態を把握しましょう。

 

 配転、出向命令などに直面したら、まず、次のことを確認して下さい。

1、その命令が正式なものかどうか(会社の組織的決定か?上司などの嫌がらせ的発言か?)

2、雇用契約(あなたが雇われたときの契約内容、あるいは約束した内容)の範囲の配転・出向命令内容であるのか?

3、就業規則や社内規定では、配転、出向はどのように定められているのか?また、その規定に合っている配転・出向命令か?

4、「配転・出向」なのか「転籍」なのか?※出向といいつつも、転籍に同意するように求められる場合もある。

対応のポイント

 雇用契約内容に定められていない配転・出向(とくに出向)命令は基本的に拒否できるのですが、会社がその命令を強行しようとして、「命令違反は懲戒」とか「雇えない」などの脅しをかけたり、「処分」を実行するときもあります。

 このような「処分」は不当なものですが、「処分」により不利益を被るのは残念ながら労働者の方です。現実的対応としては配転や出向命令に対しては、「認めない」「同意しない」としつつ、一旦配転先や出向先に就労して、その後命令の取消を求めることになります。

 しかし、自宅周辺での就労を条件に雇用されているにもかかわらず、実際には就労が不可能な他都道府県への配転・出向命令が出される場合や、全く雇用条件と違う職種・業務を命令されて実際には就労出来ないような場合は、不当な「処分」をも覚悟して命令の取消を求め、闘うことになります。

 ただし、会社の経営が著しく不調になったり、会社統合や部門廃止によって、労働契約で定められた本来の職種、地域での就労が困難となる場合もあります。このような場合は、退職条件の整備も含めた、会社の統廃合や人員整理への対応法が必要になります。

 嫌がらせとして行われる、遠隔地への出向や配転などは無効です。ただし、嫌がらせであることを証明することが必要です。

転籍は配転・出向とは全く違う

 転籍については、本人の合意が必要です。出向の後1年後の転籍とか、将来の転籍を前提としての出向等という場合(要するに、将来雇用契約を結ぶ会社が変わる場合)、その転籍については使用者と労働者間の合意がなければ行えません。この転籍は関連会社、同一資本関係の別会社間でも同意が必要です。

 派遣とか出張とかの名目で、出向と同じ状態を命令されたり、転籍を求められる場合も、実態が配転・出向あるいは転籍ならば、それなりの対応が必要になります。

 できる限り早目に、労働組合(ユニオン)や労働弁護団の弁護士などに相談をして、会社に追い詰められる前に対応策を講じましょう。くれぐれも同意できない文書に同意の印を押したり、サインしないようにしましょう。

2010年10月21日

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