NU東京は、以下の声明に賛同します。



 法務大臣  野沢 太三 殿
 法務省入国管理局長 増田 暢也 殿

 入国管理局のホームページ上での情報提供募集の中止を求めます

 法務省入国管理局が、2004年2月16日より同局のホームページ上で「不法滞在の外国人情報」の受付を始めました。これは、ホームページ上の受付書式に従い「違反者だと思われる人」の名前や、国籍、住所、電話番号、職場、人物を特定できるものなどの個人情報を入力すれば、自動的に管轄の地方入国管理局に電子メールで送信され、情報提供者の名前や住所、メールアドレスなどの個人情報は全く明かすことなく、誰にでも気軽に情報を提供できるというものです。私たちは「外国人狩り」ともいえるこのメールによる情報募集に強い怒りを感じ、すぐさま中止するよう求めます。
 日本には現在200万人を越える外国人が暮らしています。在留資格の有無にかかわらず、地域で働き、学校に通い、同じ市民として、働く仲間として地域で生活しています。中小零細企業や工場、建設現場などで働く外国人労働者達は、日本の産業、そして経済を支えています。それだけではなく、外国人労働者の持つ高い権利意識は日本人の権利意識も高め、労働組合や人権・平和の取り組みが活性化しています。人種・民族・宗教など様々なバックグラウンドを持つ外国人が地域に暮らすことで、日本社会が互いの違いを尊重し合う、多様で豊かな多民族・多文化共生社会に向かっています。法務省入国管理局のメールによる情報募集は、この流れと逆行し、市民に外国人を監視させ、排外主義を煽り、外国人=「犯罪者」という風潮を増幅させるものです。私たちの良き隣人であり、働く仲間である外国人労働者を「犯罪者」として監視し、密告する制度は、外国人の人権を踏みにじるものです。私たちは、このような制度を決して許すことができません。
 メールによる情報募集という「手軽な」密告を奨励することは、地域住民の信頼を損ない、疑心暗鬼の社会を作るものです。これは、民主主義を破壊する以外の何ものでもありません。
 私たちは、法務省に対し日本で暮らす外国人の人権を侵害するホームページ上による情報募集を直ちに中止するよう申し入れます。
 人権を侵害しないで非正規滞在者をなくす最善の道は、日本で暮らす人々の生活の実態に合わせて正規の在留を認めることです。私たちは、日本政府が多民族・多文化共生社会にむけて政策を転換するよう求めます。


2004年2月19日

移住労働者と連帯する全国ネットワーク
東京都文京区小石川2-17-41 TCC2-203

生活と権利のための外国人労働者一日行動実行委員会
東京都台東区上野1-1-12新広小路ビル5F 全統一労組気付

TOPページへ 一部改定でなく中止を求める共同声明

※法務省入国管理局は、多くの批判をかわすために、3月25日に、部分的に内容を変更しました。しかし相変わらず「ページを閉鎖する考えはない」としています。しかし、この「密告ページ」の性格そのものが問題であることに変わりありません。私たちNU東京は、今後も情報募集の中止を求めていきます。