●TOPページへ ●労働委員会サポートセンターから ●NU東京資料ページへ 労働委員会サポートセンター 設立の趣旨と当面の活動 1、趣旨 (1)小泉構造改革路線のもとで、雇用破壊や労働者の権利否定が横行するなかで、労働者・労働組合の権利救済機関=労働委員会制度の危機が深まっています。 国とJRの不当労働行為を認めた全国の地労委・中労委命令が東京地裁の手で否定された頃から、各地の労働委員会には敗北感や無力感が漂ってきました。現在では、取消行政訴訟を気にした異様に厳格な審査にこだわって、期間はますます長期化し、やっと命令が出ても実効性がほとんどないなど、形式主義にとらわれた審査を平然と行う労働委員会がふえています。 こうした労働委員会の現状につけ込んで、最近では「労働委員会など恐るるにたらず」「労働委員会で負けても裁判がある」「その間は不当労働行為はやり放題」などとうそぶいて、団体交渉さえ悪びれることなく拒否し続ける経営者や代理人弁護士らも出現しはじめています。経営側に露骨に肩入れする公益委員さえ見受けられる有様です。 他方、司法制度改革において労働参審制の是非が議論されるなかで、労働委員会無用論さえ語られはじめており、厚生労働省では、労働委員会の設置を都道府県単位から全国8ブロック制に縮小再編する検討も行われているとの情報もあります。 ところで、肝心の労働組合自身、その多くが企業内労働組合活動に埋没しきっていて、どれほど理不尽なリストラや権利侵害が発生しても、これを団結権の侵害に対抗する権利闘争という視点から反撃を組織せずにいるのが現状といわざるを得ません。 全国には救済申立事件が1件もない労働委員会が続々生まれている事実は、つまるところ、こうした労働組合の情けない姿の反映にほかなりません。 (2)経営者側の不当な団結権侵害と闘うために、迅速かつ適切な審査や命令を期待する労働者、労働組合から見れば、たしかに労働委員会の現状は、往々にして腹立たしいものがあります。 しかし、労働委員会の現状をいくら嘆き、なじったからといって、事態が改善されるはずもありません。 現行の労働法制のもとでは、労働者・労働組合の権利救済機関としての制度的枠組みを唯一もつ労働委員会を強化するほかに当面の有効な手だてがない以上、私たちはその活性化と民主化に向けて努力すべきだと考えます。 ところで、よく考えてみると労働組合による労働委員会強化のための取り組みは、きわめて不充分で、労働組合相互の情報交換や連携といった基礎的とりくみも系統的には行われていません。 まず、できるところから、そして、もっとも具体的なところから、お互いに力を合わせたいと思います。 私たちは、そう考えて、労働組合、弁護士、学者、関係者が力を合わせて以下に掲げる事業を推進すべく、ここに「労働組合サポートセンター」を発足させることにしました。 2、事業内容 (1)情報の収集・分析と発信 ○各地方労働委員会・中央労働委員会の活動状況や命令等に関する情報を収集・分析し、会員に情報提供します。 ○労働委員会に関する政府・自治体、経営者団体、法曹界、労働団体等の動向や情報を分析し、情報提供します。 ○問題企業、経営側弁護士の行動や事例について、反撃のキャンペーンを呼びかけます。 ○当面、東京、神奈川、大阪、福岡、北海道にまたがる横断的な連絡網をつくります。 (2)労働組合の労働委員会利用の支援 ○労働委員会の利用技術向上のために、労働組合のあっせん、申立等に関わるアドバイス等の支援を行います。 (3)労働委員会制度の拡充と活性化への取り組み ○労働委員会制度の現状やあり方に関して、労働者、弁護士、学者・研究者、報道関係等の関係者による研究活動に取り組み、提言を行います。 ○労働委員会との対話を進めます。 (4)その他関係する活動 3、向こう1年間の事業計画 (1)ニュースレターの発行(年2〜3回) (2)シンポジウムの開催 (3)FAXニュースの発行(随時) (4)「河本対策会議」 以上 2002年12月19日 設立大会にて承認 |