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労働相談体制の充実を求めるアピール

「労働相談を考えるシンポジウム」参加者一同
2003年11月27日

 一部で景気回復が言われていますが、失業率は5%台で高止まりしており、雇用に関しては大変厳しい状況が続いています。
 規制緩和の名の下に、派遣労働の大幅自由化、有期雇用期間の上限延長、企画業務型裁量労働制の適用範囲拡大などが実施され、不安定雇用は拡大しています。現実にリストラにより正規雇用労働者はパート労働者、有期雇用労働者や派遣労働者に切りかえられています。また、正規労働者においても、終身雇用制・年功賃金制など社会保障型の制度は解体に向かい、労働条件の低下と過密労働が広がっています。集団的労使関係から個別労使関係が重視される状況へと変化してきています。その結果として、解雇、賃金未払い、労働条件切り下げ、いじめ、メンタルヘルス、セクハラなど様々な問題についてサポートを必要とする労働者が数多く存在します。
 現在、連合をはじめとする労働組合、公的機関(東京都の労政事務所など都道府県の窓口、国の都道府県労働局、労働基準監督署など)、弁護士、社会保険労務士などがこうした労働者の相談に応じており、いずれも相談件数が増えてきています。
 本日、労働相談を実施する様々な立場のものが集まり「労働相談を考えるシンポジウム」を開催し、社会的セーフティーネットの一環として、労働相談を充実することの重要性を全員で再確認しました。
 しかし、東京都は、年間1万件以上の労働相談件数を受けている新宿労政事務所の廃止を含む労政事務所の再編成を計画しています。東京都の労政事務所は様々な問題を抱える労働者にとって、簡易軽便な解決手段を提供する場となっています。私たちは、東京都の新宿労政事務所廃止は、労働相談の軽視であり、社会的セーフティーネットの機能低下を招くものだと考えます。改めて、東京都に、新宿労政事務所廃止を撤回し、労政事務所や労働相談体制の充実に向け、施策の転換を求めます。
 また、労働相談にとどまらず、法的決着を求める労働者に対して、簡易迅速に解決を求めることのできる実効ある労働審判制の確立を求めます。

 

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